平成拾年超夢杯於芦之湖


 

件名: (業外)平成拾年超夢杯

すっかり夜の明けてしまった芦ノ湖畔に、
今年も13人の男が聳えたった。
そう、計測不能な「あいつ」に逢うために、、、、、

(オープニングテーマが掛かる。)
さすがに丑満時から、重成庵のカレー鍋は煮音を立てなかった。幹事が曰く、「スキーよりも重装備を!」との警告に、厚着に厚着を重ねた。
午前3時にはN氏のアパートに集合のはずだったが、4時になってもN氏のアパートでプレステに興じる者あり、ようやく中山を出発した者あり、と団結力の弱さに涙ぐんだ。予定の芦ノ湖到着より2時間も遅れると、さすがに美味しい場所は占領され尽くされていた。思案の末、結局昨年と同じ場所に落ち着くことになった。
7時号砲。'98 Super Dream Cup in Ashinokoの火蓋が切って落とされた。 そう、解禁日に設けられた釣り大会。大物を釣れば表彰されるのである。早速、リールからフィッシングロッドへの糸の繋ぎ方を間違える私。どうもくるくるまわしても糸が巻き付かないはずだ!そんなこんなで、釣り入門書の糸の結び方のコピーを片手に、上州屋中山店で最安値を誇る釣り具セットに、5本セットの最安ルアーから一つを選んで結び付け、遊覧船の発着する隣の桟橋に竿を垂れた。
10分と経たぬうちにN氏が第一号をゲット!桟橋の先端で満を持していた重成の竿にも、不規則な振動が!巻けよ、リールを!開けよ、ごま!炊き込め、ご飯!
My First Nijimas最安釣り具セットで、ビギナーズラックを思いっきり発揮した重成がチーム第2号をゲット!!!ブラボー!!!
最安のルアーに噛み付いてしまったニジマスを哀れむ暇もなかった。でも、針を抜いているうち、というか、慣れないのでなかなか針が抜けずに痛みを継続してしまった罪悪感から、記念すべき我がニジマス君を、芦ノ湖に手放した。しかし、また、慣れぬ手つきで思い切り湖面に叩き付けてしまったため、我がニジマス太郎君はしばし湖面で気絶してしまった。すまぬ。
時も経つと、桟橋追出し令が発令されてしまった。そろそろ遊覧船が動き出すらしい。チームは拠点変更を余儀なくされた。
一見ホテルの敷地内のようだが、実際そうであった。にも関わらず、無心に竿を垂れる漁民達。また懲りずにその敷地内の桟橋の先端まで躍り出る面々。しかし、ホテルマンの追い出しを食らい、また移動せざるを得なかった。我がチーム内で一人だけ桟橋追出しも何処吹く風といったメンバーがいた。J氏である。サイボーグを身に纏った彼は、腰までどっぷりと湖に浸かっていた。さすがはサイボーグである。きっと冷たいに違いない。でも、そんなJ氏を、我々は、ルアーが引っかかっては取り外してもらうためにこき使ってしまった。
釣れない。前日からの雨による増水で、昨年の「ポイント」が水没していたようだ。拠点を2度変えてから、数時間も経つというのにチームで一匹も釣れぬ。おまけに、明け方よりもずんずんと寒くなってきた。昨年よりぜんぜんあったかいと高を括っていた面々を寒気が容赦なく襲う。思わず走り出す私がいた。
SDさんが大物を引っかけた、、、
ルアーが鯉の背鰭付近に引っかかっていた、、、
高額の遊魚料の有効時間は午後2時である。バーガーキングなどで適当に腹ごしらえをした面々は、示し合わせたようにもう一度、ホテルの桟橋を目指した。ホテルマンに怒られてでも釣れないよりははるかにましである。あと、残り30分だ。
やはり、釣りは「ポイント」が決め手のようだ。終了ゴング間際にO氏が一匹釣り上げた!でも、13人のうち、まだ一匹も、というメンバーが約半分、、、やがて、ゴングが鳴った。
ゴングかまわず釣り続けるSZ氏、、、、、
13人は早くも来年にリベンジを、と昼下がりの芦ノ湖を後にした。
(エンディングテーマが鳴り響く。)

やがて「あいつ」が湖面に姿を現した。
13人を嘲笑いながら、、、

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クイズ。
「あいつ」とは?
A.J氏
B.矢沢氏
C.シーラカンス
D.60cmを越えるニジマス
「サイボーグ」とは?
A.J氏のコスチューム
B.サイボーグ
C.防水釣り用ズボン
D.J氏自身
この釣り日誌のテーマは?
A.小鮒釣りしかの川
B.逃した魚は大きい
C.諸行無常
D.ロボ○ン、0点
ご精読ありがとうございました。