不届き

不定期連載 山道をゆく 第140話
03/10/11〜 戸隠山、妙高山
03/10/11〜 戸隠山(日本二百名山、信州百名山、庵選千名山247)
九頭龍山(庵選千名山248)、妙高山(日本百名山、庵選千名山249)
(includes 不定期連載 グルメ街道をゆく
黒姫 信濃ブルワリー(地ビールレストラン)再々掲)
【不届き】

10/11(土)
庵庵−港北IC−玉川IC−目黒通り−R1−永代通り−門前仲町−神田橋IC
−美女木JT−大泉JT−横川SA−信濃町IC−奥社駐車場…百間長屋
…蟻の戸渡り…八方睨…戸隠山…九頭龍山…一不動…帯岩…戸隠牧場
…奥社・奥社茶屋−むれ天狗の館−黒姫駅−妙高高原駅−ロッジオオノ

10/12(日)
ロッジオオノ−関見峠−燕温泉−ロッジオオノ−前山二枚板山下り場駐車場
≡前山ゴンドラ山頂駅…大谷ヒュッテ…天狗平…妙高山…天狗平…大谷ヒュッテ
…前山ゴンドラ山頂駅≡前山二枚板山下り場駐車場−関温泉・登美屋旅館
−信濃ブルワリー−信濃町IC−小布施SA−大泉JT−美女木JT−木場IC−門前仲町
−R1−目黒通り−玉川IC−港北IC−庵庵

−:車、…:歩き・走り、≡:ゴンドラ

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
3連休である。ここ数年上高地界隈に明け暮れ、帰路の渋滞に苛まれ続けていた。錦繍のプラスと渋滞のマイナスを天秤に掛け続けて来たものの、ハッピーエンドに終わらないことを考えると目的地も再考の余地があった。然し、3連休である。宿の確保は難しい。だが、我々にはロッジオオノが存在した。多分、前日予約でも問題なかろう。幸い、妙高山など、未だ周辺の名山は未踏なのだ。2泊プチ縦走などを目論もうと思えども、座氏が月曜に仕事を控えているようで、2山+ベースキャンプのプランに決定した。事前に発見した長野界隈高速道周遊券の出番が巡って来た。
3時半過ぎながらも日課としてピアノを弾いてから庵庵を4時過ぎに発ち、瞬く間に三京の人となった。今日の入口の左から第2レーンは、ETC専用レーンとなっており、ぶっ千切りだった。然し、ギャラリーは皆無だった。目黒通りは空いていようが信号待ちを含めると結局門仲までは45分程度を要してしまい、すぐさま折手亜号に乗換え、高速道へと急いだ。5時、6時台とは言え、3連休初日に交通集中が発生することは免れなかった。だが、中央道の其れよりは数段楽ではなかろうか。横川で朝飯を貪り、折手亜号は軽快に上信越道を駆け抜けて行った。
嘗て高妻山に赴いた時は長野ICから延々とバードラインを越えたものだが、今日は朝出、時間ロスが惜しく、高速クーポン北限の信濃町ICまで距離を稼いだ。因みに戸塚区に存在するのは品濃町である。なので、ICを下車したからと言ってコナカやロイホは存在しないのであった。第一パンの工場も然り。パチンコ屋やコンビニの1軒も見当たらず、県道36号線沿いには焼きとうもろこしの露店が若干連なるのみである。焼きとうもろこしを山への行動食とするには数段の勇気が必要であった。やがて見覚えのある戸隠牧場を掠め、愈々行動食調達を断念すべき奥社駐車場に到着した。茶屋2軒あれども菓子の類は見当たらない。残念だが、家から持参した前回までの残り物を携え、9時半過ぎと言う登山出発にしては不届きな部類に相当する時刻に、奥社入口鳥居を潜った。
杉並木である。荘厳な、壮大な、杉並木である。日光や箱根と異なり、車道が近くを走っていないのが崇高さを助長していた。ごっつう高い。花粉アレルギー所有者には煙たい存在であろうが、この高さ、花粉が地上に落ちるまで数分を要しかねない壮大さであった。奥社までは階段が続き、幾重の一般参拝者も喘ぎながら登拝を目論んでいた。奥社から見上げる戸隠の岩肌に、所々紅と黄が塗されている。岩肌は潤いながら、我々を呼んでいた。
奥社を通過すると、途端に急登である。奥社から山頂までは一気に550m程の標高差を集約しなければならないのだ。きついが山は本来こんなものだろう。急登は登られるために存在するのだ。然し、ヘリコプターが五月蝿い。確かに3連休で山の事故を警戒しているのだろうが、巡回にしては近くばかりを徘徊している。
やや開けた五十間長屋から九頭龍山方面を見遣れば、ヘリが空中で粗静止していた。ロープが降りてきた。ははぁ、事故があったのか。レスキュー隊員がするするっとロープを降りた。戸隠山頂以北は経験者向きとは言え、後で聞いた話に因れば奥社から戸隠山のみをピストンする者は少なく、皆挙って一不動側への周回ルートを利用していると言う。確かに奥社からの急登を下るのも危険だが、九頭龍山近辺も尋常な山道ではないのであろう。富士が霞みの彼方から見守る中、やがて大音響と共に、100万円は去って行った。民間のヘリコプター出動要請は1回につき其の程度の相場と言われている。アントニオもそろそろ山岳保険に入らねば、と真剣に考える必要があった。
やがて鎖場も増え、山道は核心へと続く。まるでボルダ−ジムのようだ。鎖はあれど、足場は探せばしっかりと舗装されている。勢いを増したアントニオは、鎖場の鎖に触れる事無くボルダリングで戸隠壁を野沢菜を得たアントニオが如く攻めて行った。確かにボルダージムの其れと比べたら初級者レベルの壁面でしかないのだが。
そして、蟻の戸渡りである。最狭所幅約40cmと言ったところか。高所恐怖症保持者は其の両脇の崖を見て心臓発作でも起こしかねないスリル満点な戸隠山への最終チェックポイントである。特に小心な女性が居るパーティーには渋滞を余儀なくされかねない。ただ、両壁の抉れ具合に誰しも自分は立ち往生無しに通過可能だと断言することは不可能であろう。約40cmが20m程度続くので、予断は禁物だ。前のパーティー次第では約40cmの道に何分も待たされかねない。9時半出発の不届き者は渋滞を免れる筈はなかった。身も竦む。高度感は筆舌し尽くし難い。此処でバランスを崩して剱の時のような一人垂直落下式ブレーンバスターや雪崩式一人バックドロップを敢行した暁には、再起不能のみが待っている。然し、天気は爽やか過ぎる。紅葉は鮮やか過ぎる。緊張感が堪らない。
痛快の後の一角は八方に睨みを利かせていた。高妻、飯縄や西岳は当然でかい。富士も八も其処に居る。360°睨みだ。錦繍とグレーの岩肌は、10月の3連休に其の繊細さを増していた。鏡池や野尻湖の水面も眩しい。9時半に出発した不届き者より先に、幾重の先客によって八方睨は埋め尽くされていた。
大勢の寛げる八方睨から約5,6分で戸隠山の山頂に到着。方角によっては若干植え込みに遮られ、また狭いものの、此処からの展望も申し分なかった。さて、昼飯に急いで下山してまったりするか。座氏が近所のハイカーから、勿体無い、このままピストンかね?皆周回コースを回るもんだよ、と逆詰問を受けてしまう。コンビニに寄れなかったのは痛い。餓死寸前になりながらも、未だ未だ時間はある、そこいらの老々男女には負けるまいと、詰問に乗じて周回コースを選択してしまった。
断崖絶壁の連続を通過する。嗚呼、今朝事故があったのも頷ける。蟻の戸渡り程は狭くはないものの、容易に転落可能な塩梅だ。スリル満点なのだが、蕎麦おやきの幻覚に捕り付かれる程、空腹は耐え難いものであった。周回コースを選択した自分を悔やむ。然し、奥社からのあの急登を下るのも危険だよな。。。
九頭龍山を過ぎ、意識は朦朧として来た。周回するべきではなかった。漸く一不動の避難小屋の屋根が見えた。ドーム型で窓もなく、心無き似非ハイカーのゴミの山が残る小屋には、今日も泊まる意欲は殺がれたのだが、そうだ、前回高妻を攻めた時は此処でサークルKで購入した橋本真也監修の大型カツサンドを平らげたものだな、と懐かしく思う。カツサンド、何処にあるのかな・・・
一不動からは勝って知ったる下り道、帯岩のヨコバイと鎖場には若干速度を緩めさせられたものの、飢えた2人とも急行運転を敢行し、戸隠牧場へは休憩無しで駆け抜けた。此処の食堂ではニリンソウのおやきを食べさせて貰ったな、、、ううむ、、、一刻も早く食い物に在りつく必要がある2人の前に、川中島バスが!!!奥社駐車場まで乗せてくれ〜、金くらい、くれてやらぁ〜
我々の絶叫も空しく、バスは発車まであと20分も待たねばならなかった。餓死寸前の肉体を振り絞り、仕方なく自然園の木道を歩き始めた。座氏がGPSで歩速が計測出来ると言うので、仕方なく走ってみた。餓死寸前でザックを抱えたアントニオは、時速10km出すのがやっとであった。御蔭で奥社駐車場はぐんぐん近付いて来た。GPS効果である。
鳥居側の蕎麦屋には熊笹ソフトクリームが秋波を送って止まないが、心を鬼にして駐車場寄りの奥社茶屋の扉を叩き、御多聞に漏れず、戸隠蕎麦を所望した。然し、このお洒落な佇まいの中、生ビールを提供していないとは、今一つの努力不足が否めない。然し、待ってました、山クラゲ蕎麦おやきとは、この奥社茶屋オリジナルと思われるが、燻し銀なハーモニーで舌を弄んで止まなかった。戸隠牧場のニリンソウ入りに続いて、この戸隠界隈はおやきの王道を突き進んでいた。やれば出来るではないか。
宿直行には未だ間がある。折角だから温泉に浸かろうと、黒姫山帰路にも寄ったむれ天狗の館に赴く。しっかりと高速クーポン券によって100円引きの道を選択する。即ち村内居住者と同格料金での入場だ。露天風呂の外の雲仙寺湖には、この寒さでボート漕ぎを嗜む者も皆無であった。今泳げば、独占は必至である。風呂より若干冷たいが。
座氏が宿で暇を潰すため、スキージャーナル所望を欲しており、途中黒姫駅に寄るも駅前商店街の書店には在庫はなかった。仕方なくR18を北上すると何故か渋滞していた。脇道を擦り抜け、妙高高原駅前商店街にまた書店を求める。氏の購読の隙に、酒屋を物色して地酒の原酒を入手。帰宅後の味わいは円やかで、久々のヒット商品であった。座氏も何とか店在庫最後の一冊を入手し、意気揚揚と宿に引き揚げた。
駐車場には先客の存在を示唆する3台の駐車車両が存在していた。ロッジオオノ、やるではないか!我々の貸切だと踏んでいたのに!然し、扉を開けて挨拶をすれば、3台とも家族関係車両であることが発覚し、台本通り、貸切であった。紅葉シーズン酣だとは思うのだが、皆様、ロッジオオノに愛の手を。
部屋では勉学に読書に励もうとしたが、筆も中々進まなければ睡魔の襲撃を容赦なく受けながら、晩飯開始のゴングを聞いた。今日も食い過ぎた。御飯が美味い。白米の王道だ。今日も卓は、海の幸山の幸が犇いていた。胃袋が2つ以上は必要だ。米処だからとポン酒を所望しようと思ったものの、ビール党の座氏と既に2本の大瓶を空けた後には、胃袋に一滴すら嗜む余地は見当たらなかった。海の幸の次には山の幸が必ずあった。其の向こうには、満腹絶倒があるのみ。久々に胃袋の破裂具合を心配した。ロッジオオノの食卓には夢が溢れていた。
夜が明けた。雨も降っている。昨晩の天気予報通りである。昨日季節外れの無理を承知で野沢菜を所望したら、何と初物、浅漬けの其れが食卓に並んだのである。雨は降れども高楊枝。ロッジオオノ様様である。
だが、今日は何処を目指すべきか。晴れていればさっさと妙高山へ赴こうと、朝飯も早目にお願いしてはいたのだが、この天候である。温泉モードと遥々妙高までの踏み跡を今日も残したいモードとの葛藤が続いた。混浴ありの燕温泉も勧められた。暫し様子を見ようとテレビを点けると、松井がフィールドを駆け回っていた。ノンビリ松井の活躍を追ってみるか。だが、雪山シーズンへの下見に余念のない座氏は、天候が悪くともせめて登山口まででもとのことで、松井の活躍を見届けた後、燕温泉へ向かって宿を発った。
関見峠からの見晴しは爽快であった。天候も徐々に回復しているようだった。燕温泉には、登山客とは見紛うことのない温泉客が犇いており、興醒めも甚だしかった。さて、さて、天候が予想以上に戻って来ているように思う。行けるのではないか。勧められながらも邪道と思って気にも留めていなかった雪山シーズン外でも運転中のゴンドラの力を借りれば、今からでも何とか夕方には下山出来るのではなかろうか、一目散に宿に戻って割引券を請い、再び前山ゲレンデのゴンドラ乗り場に舞い戻った。
雪山シーズンとは大分趣を異にしていた。観光散策用にヘリコプターも飛んでいる。昨日の戸隠付近にも此処のヘリが飛来していたのかも知れぬ。ゴンドラには観念しているが、ヘリは未だ未だ邪道に思う。今迄ゴンドラを侮辱し続けていたが、時間の関係上仕方がない。大リーグを見た御蔭でもう既に10時を回っている。然し、大リーグを見た御蔭で温泉モードだけで辞去せずに天候の回復を待てたのは、松井マジックの賜物であろう。ゴンドラはスキーシーズンより遥かに鈍足で乗り場に揺れていた。斯くも減速しないと中高年ハイカーが乗れないからであろう。ゴンドラは紅葉の山肌を舐めるように登っていった。目指すは前山。今日も昨日に引き続き、ハイカーとしては不届きな遅出で山頂を目指していた。天候の回復は有難い。アントニオは山を目指しに妙高に赴いたのだ。
ゴンドラを降りると寸前までの雨で可也泥濘んでいた。仕方ない。雨後だ。観光客はゴンドラ降り場から数分程度の斜面で戯れていたが、庵速で追い抜いては先を急いだ。コースタイムは約6時間、ゴンドラ最終便まで可也厳しい行程だった。大谷ヒュッテからの神奈山の錦繍は絢爛の他に言葉が思い浮かばなかった。山頂近辺にはややガスが屯しているものの、目の前にある銭の取れる錦繍にほくそ笑むしかなかった。
先に進むと、近くに水場も見当たらないと言うのに巨大な蝦蟇蛙が登場した。久々に見た庵蛙である。逞しい。トレーニングに余念がないのであろう。氏の健闘を祈りたい。それに引き替え、お主等下りの癖に、上りの我々に道を譲れない心無きワンゲラーよ。南ア深南部を闊歩した金ゴリ軍の爪の垢を煎じて飲む必要があろう。高々妙高山程度で道も譲れない程余裕がないワンゲル集団とは、若いのに鍛え方が足りない。大抵は若いと余力があってマナーを弁えるものだが、残念であった。俺が顧問なら、校庭3周の罰を与えることだろう。
錦繍に気を取り直し、鎖場を駆け抜け、山頂に至った。ううむ。9合目程度までは意外な程天候は持ったが、残念ながら笠を被っている山頂からは、余り展望は望めなかった。9割方天候は回復していたのだ。何か物足りない。10時過ぎに登り始めた疚しさの名残か。矢張り不届きであったか。あと30分早着なら、ガスが退いていたかも知れない。ただ、あと30分早出なら、其の時点で天候の回復を見込めずに湯舟に溺れてビールを煽って、ま、其れは其れで幸せな連休中日を過ごせたのかも知れないが、少なくとも妙高山には無縁のままこの旅の終焉を迎えていたかも知れない。今日の山頂は、偶々未だ水分を欲していただけなのだろう。ガスは時折僅かな隙間から山麓を覗かせた。今日の山頂はガスが恋しかったのだ。
さて、ゴンドラの最終便も気掛かりで、長居は無用、すっきりしない山頂を後ろ髪引かれる思いで辞去した。少々標高を下げれば、また錦繍の風景が広がっているのだが、心無しか往路より翳りを覚えたのは気の性か。
そそくさと大谷ヒュッテまで降りればワンゲル軍団が食事の支度に勤しんでいた。失礼な彼等は、髪の色こそ皆黒だがあの金ゴリ軍団のような大盥を持ち合わせていたものの、食糧はカップ麺にレトルトものしか見当たらなかった。ワンゲルの癖に全く芸がない。金ゴリ軍団は髪の色こそ違えども、体力もあり礼儀も正しく山の将来を背負って立つ人材であった。大谷ヒュッテに泊まらんとする彼等には、残念ながら気風が皆無であった。向かいの神奈山の錦織が勿体無い。
帰路は庵速、座速を極めれば、未だ最終便には余裕も生まれ、仕方なくゴンドラ乗り場脇の食堂で生麦茶を所望した。谷側の窓外に広がる緑、紅、黄色の帯。年中こんな素敵な風景を嗜めたらとも感じたが、年中見られないからこそ値千金な風景なのである。
ゴンドラに揺られ、其れでも未だ雪山コースに未練の残る座氏は車を関温泉界隈へと走らせて行った。燕温泉界隈と異なって人気も少なく、空いているだろうと適当に門を叩いてみた。果たして、吉野屋旅館、入浴歓迎の看板に偽りあり。時刻の問題だろうか、客が大入りには見えないのだが、我々を拒むとは。もう金輪際、我々が立ち寄ることはないだろう。敢えて事実を全国ネットさせて頂く。次に目に付いた登美屋旅館の暖簾を潜れば、文句なしに入浴許可が下りた。関温泉街の各旅館にはリングネームが付与されている。此処登美屋旅館は「子宝の湯」になっており、気付いたアントニオは逡巡を覚えたのだが、座氏は気がつかなかったのだろう。。。だが、子宝の湯には露天こそなけれども、展望は素晴らしかった。来る雪山シーズンに広がるべき銀世界に、一度目を眩まされてみたくも感じた。
忘れ掛けていた風呂、ビール、飯の三段活用を思い出すべく、お約束のように信濃ブルワリーを目指す。信濃ブルワリーのスタッフの一人が我々の持参していた山岳地図に興味を示しており、話し込めば氏も夏山登山に明け暮れているようで、ジモティ仲間からは白い目で見られていると言う。長野県人は概して長野の山には登らないと言う。勿体無い。ビールは斯くも美味なのに。コンビニ握りにビール程度の昼飯に空虚を覚えた2つの胃袋には、ピザ、牛肉のビール煮などが瞬く間に藻屑と消え去って行った。其れでも空き足らぬ座氏にはローストビーフサンドウィッチが止めを刺した。今日も満足な食卓だった。思わずお土産にビールモルトパンを所望してしまった次第である。
帰路のSA情報に因れば渋滞箇所は多かれども、到達時間は早いとの案内電話に促され、再び上信越道へと駒を進めた。情報の訴える程の大袈裟な滞りは少なく、関越道への合流地点や料金所近辺の其れは不可避であったものの、小仏上野原大渋滞の悪夢は十分払拭出来たように思う。首都高も空いていた。充実した連休であった。
(完)

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付録:

山旅アドバイス
・戸隠奥社から蟻の戸渡りまで粗断続的に急登が続く。
逆ルート(一不動側から戸隠奥社バス停方面へ降りる)は厳しい。
私ならやらない。
・戸隠山〜一不動間も断崖絶壁が続く。飲酒運転は要注意。
・上り優先が原則。上りの人が通り易い位置を考えて止まろう。